まい薬局は、厚生労働省と基幹病院(イムス富士見総合病院、イムス三芳総合病院)の協力の元、民間病院では国内初の臨床検査データの開示を実現しました。
患者様に渡される検査時系列報告書には「副作用を未然に防ぐなど、お薬を安全に使用するために、この検査結果を保健薬局にご提出頂きますようお願い致します。」と記載されています。
平成26年度厚生労働科学研究費補助金(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業)
患者参加型による地域のチーム医療の推進に向けて
~検査結果などの患者情報の共有化の構築と普及への取り組み~
医療の質と安全の醸成の一環とし、「医療チーム内での患者情報の共有」という目的を達成するため、薬局の薬剤師に対して、患者情報を提供するシステムの構築並びに地域医療における患者参加型の薬物療法の普及活動について検討した。
今回の協力施設での検査データの提供は、従来の検査報告書のコピーを提供することにより、必要経費を最小限に抑え、さらに患者情報の守秘義務を厳守した方式を取ることにより、大きな問題も無く導入することができた。
薬局への検査表の提示率は低く、その理由として患者が検査値と薬物療法とのかかわりについての知識が乏しく、さらに重篤な副作用発現などへの危機感が薄いことが示唆された。
また、説明会への参加状況を鑑みると、検査データに基づく処方せんの解析・評価による疑義照会など薬剤師の専門性を発揮する業務への取り組みに対して、薬局間で格差があることも推察された。
今後、検査データが有効に活用されるためには、患者を対象とした「お薬と検査値ってどんなかかわりがあるの」などと題した公開講座などの実施を介し、患者の薬物治療に対する啓発が重要と考える。
また、薬剤師を対象として、患者情報に基づく処方せん解析の症例検討会等を定期的に開催するなどし、薬物治療における薬剤師の専門性を高める必要がある。